その男、班文虎 Ver.18/01/05修正

投稿者:putsbee

その男、班文虎 Ver.18/01/05修正


3~5人、20分、8歳以上


概要

この世紀末、食糧不足にあえぐ僕たち兄弟は、お菓子を食べて生きていくことにしました。でもお菓子は限られています。兄弟仲良く「はんぶんこ」にしましょう。それが人の道というものです。お菓子の山が尽きかけたとき、いちばんたくさんのお菓子をガメていたひとの勝ち!

内容物

・カード76枚
(0×4枚、1×8枚、2×12枚、3×12枚、4×12枚、5×8枚、6×8枚、7×4枚、8×4枚、11×4枚)
・ルールブック(これ)

ゲームの準備

カードをよくシャッフルし、山札をつくります。山札の上から10枚を伏せたまま取って90度回転させて置き、その上に残りのカードを伏せたまま乗せます。

もっとも最近、世紀末救世主を目撃した人が最初の手番プレイヤー(=兄者)となります。よくわからない場合はじゃんけん等で決めてください。

用語解説

兄者(あにじゃ):手番プレイヤー
弟者(おとじゃ):基本的には兄者の左隣のプレイヤーだが、状況によっては左隣のプレイヤーとは限らない。
取り分:兄者と弟者の前の“場”にあるカードのこと。双方の得点札とは区別されます。

ゲームの進行

兄者の行動

手札が無い場合(ゲーム開始時はこの状態です)、兄者はまず、山札の一番上のカードをめくって表を全員に見せてから、山札から4枚のカード(全員に表を見せたカード含む)を引きます。
すでに手札がある場合は、手札が4枚になるように山札から補充します。
カードを2つのまとまりに分け、一方を兄者の取り分、もう一方を弟者の取り分ということで「はんぶんこ」します。
兄者の取り分は伏せて兄者の前に置きます。
弟者の取り分は表向きに弟者の前に置きます。
※両者の取り分のカード枚数は異なってもかまいません。

弟者の反応

弟者には2つの選択肢があります。
A:取り分を受け取る
B:兄者を疑う

A:取り分を受け取る

波乱は起こらず、兄者の取り分は兄者の得点札となります。弟者は取り分を手札にし、次の兄者となります。
→「兄者の行動」へ

B:兄者を疑う(波乱が起こる)

そんな、まさか、万が一にもありえないと思いますが、人間とはわからぬもの、ひょっとすると兄者自らの取り分を多くしたのかもしれません。このまま放っておいては闇の中、心を鬼にして弾劾の声を上げる必要もあります。

兄者は弟者に疑われた場合、伏せられた兄者の取り分を表にして全員に見せなければなりません。

B-1:兄者の取り分が多かった場合

兄者は取り分の半分以上を失います。取り分をきれいに半分にできるなら半分に、できないなら可能な限り均等に分け、数値の多い方を捨て札にします。カードが1枚しかない場合は、その1枚を捨て札にします。
弟者は取り分を得点札にし、次の兄者となります。
→「兄者の行動」へ

B-2:兄者の取り分が少ない、もしくは弟者と同じだった場合

兄者を疑った罰として、弟者は取り分の半分以上を失います。取り分をきれいに半分にできるなら半分に、できないなら可能な限り均等に分け、数値の多い方を捨て札にします。カードが1枚しかない場合は、その1枚を捨て札にします。

そして、正義の人であることが証明された兄者は再び兄者として、次の手番を行います。この時、さっき兄者をつるし上げようとした悪魔のような輩がいたことを思い出してください。そう、ヤツなんてそもそも弟ではなかったのです。先ほどの弟者を飛ばして、その次のプレイヤーが新たな弟者として取り分をもらえるのです。
→「兄者の行動」へ

ゲームの終了

山札からカードを引く際、90度回転させて下に重ねておいたカードが現れたら、終了の合図です。

ゲーム開始時の最初の兄者は誰だったでしょうか? カードを引いたのが最初の兄者の右隣のプレイヤーであれば、その手番を終えることなく直ちにゲーム終了です。そうでなければゲームを続行し、最初の兄者の右隣のプレイヤーが以下のいずれかの状態になったらゲーム終了です。

α:弟者として取り分を受け取る。この時受け取った取り分は得点札に加える。
β:兄者を疑う。結果を解決後、終了する。

得点計算

各プレイヤーは自分の得点札を表にして、そこに書かれている数字を合計します。最も合計数の高いプレイヤーが、お菓子をため込んだということで勝者となります。万が一、合計数が同じであった場合は、節度をもって争ってください。

特殊ルール「ワンモア!」

カードを引く際、常に兄者には責任と緊張が付きまといます。それは、「もし低い数字ばかりだった場合、兄弟共に幸せになれない」という悲劇です。

これを救済するため、兄者はカードを引いた後、一度だけ「ワンモア!」と宣言し、山札からもう一枚手札に加えることが出来ます。そして、通常通り「はんぶんこ」します。

ただし、いつもと違うのは…
もし、弟者に疑われて取り分を表にした際、兄者の取り分の合計が「9」以上であった場合、たとえ弟者の合計数以下であっても、兄者は「十分にお菓子があったにもかかわらず貧乏な素振りをした罪」に問われ、「B-1:兄者の取り分が多かった場合」の処理が行われます。つまり、弟者が正しかったこととなるのです!

補足

ゲーム終了の合図が出た後、ごく稀に“途中のプレイヤーが兄者の時に山札が尽きた”という残念な事件が報告されています。
そのような時は、その手札のままで「はんぶんこ」を行い、その結果を解決してから、何事もなかったかのようにゲームを終了してください。


ゲームデザイン:N2
イラスト:ツクダヒナミ
レイアウト:蜂須賀敏浩
2018,トイドロップ https://toydrop.jp/


その男、班文虎(はんぶんこ)|トイドロップ (toydrop.jp)

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